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介護業界のM&A動向

2021年11月26日

カテゴリー:業種

業種分類:介護

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介護保険料および介護報酬の改定、定着化する人材不足の問題、医療と介護の連携など変化の大きい介護業界。中小企業M&Aの観点から、そのトレンド及びM&A動向について整理しました。介護業界内のみならず、関連業界によるM&A、介護業界による介護周辺業界のM&Aなど、その組み合わせは多様化していく傾向にあります。

業界概観

平成29年(2017年)4月〜令和3年(2021年)4月までの介護予防サービス及び介護サービス受給者の一人当たり費用額は年率約2.2%のペースで増加しており、年間累計受給者数は平成30年(2018年)4月〜令和3年(2021年)4月まで年率1.4%のペースで増加しています。

他方、介護報酬の改定率は、平成30年度+0.54%、令和3年度+0.70%(含む新型コロナウイルス感染症に対応するための特例的な評価 0.05%(令和3年9月まで))と介護予防サービス及び介護サービス受給者の一人当たり費用額との対比で緩やかなものとなっています。

この介護予防サービス及び介護サービス受給者の一人当たり費用額の増加率と介護報酬改定率の差分は、今後10年間にわたって継続すると考えられる75歳以上及び85歳以上人口の増加、またそれに伴う要介護認定者の増加への対応としての居宅・通所介護サービスの充実、自立支援・重度化防止の取組の推進などを通じた全体の介護費用上昇の抑制のための諸施策の影響と継続的な人材不足に悩まされる介護業界の人材確保のための諸施策の影響が合わさったものと考えられています。

しかし、後者の人材不足については、2021年9月における介護関係職種(「福祉施設指導専門員」、「その他の社会福祉の専門的職業」、「家政婦(夫)、家事手伝」、「介護サービスの職業」の合計)の有効求人倍率は3.69倍と全職業の1.05倍を大きく超え、2016年7月以来継続して3倍を超えており、実態としては人件費・採用費の上昇が介護予防サービス及び介護サービス事業者(合わせて「介護事業者」と呼ぶ。以下同じ)の利益を圧迫している状況にあると考えられます。

加えて、政策的に求められているIT投資負担、地域医療との連携等、介護事業者を取り巻く事業環境は大きく変化していると考えられます。

M&Aニーズについて

事業運営上の安定性、付帯サービスも含めた相対的な収益性の良さ、不動産運用としての側面を含めて施設系事業者に関しては根強い関心の高さが存在します。

施設系以外においても、上記に述べたように、介護業界の喫緊の課題として挙げられるものが、人材確保です。そのため、人材確保のためにM&A(買収・譲受)による事業基盤の強化はもとより、より経験・技能を要する介護職員を抱える事業体が対応エリア拡大、ドミナント戦略のためにM&Aの検討をしている事例が多く聞こえております。

また、居宅・通所支援⇄施設系の共同運営や医療と看護の兼務による人材活用の効率化を目的とした業態を跨ぐ事業領域拡大・強化、訪問医療・訪問看護・訪問薬剤管理等とのシナジーを鑑みて、地域の医療・介護全体の総合的なサービスを提供するための動きも積極化しております。

加えて、認知症・リハビリテーション対応(例えば、デイケア、グループホームなど)といった介護業界として積極的な取り組みが必要な分野、規模の経済の働きやすい福祉用具レンタルといった周辺業種もサービス領域の拡充の観点から高い関心が寄せられています。

最近では、IT化推進への取組として、介護事業者がM&Aを通じて介護関連IoT事業者を取得する、逆に介護関連IoT事業者がリアルな世界での知見を養い、サービスの質の向上、ひいては規模拡大の礎とするために介護事業者に関心を寄せるといった動きも見られております。

サービス及び人材が細分化されやすく、医療等事業上関連する業界も多い業界であるがゆえに、その組み合わせも様々なものが考えられうるのが介護業界のM&Aの特徴と言えるのではないのでしょうか。

M&Aにおいて重視されやすいポイント

自治体との関係や地域毎に介護ニーズが様々であること、人材活用が非常に重要である介護業界の特性から、施設・事業所の立地する地域もさることながら、従業員への支払給与水準及び離職率(または継続年数)、採用の状況を重視する傾向が強いと思われます。

これは、さまざまなビジネスモデルが存在するため、一意的に給与水準が低い、離職率が低い方が良いといったことではなく、提供しているサービスの質との見合いであったり、収益力の源泉としての経営の質を推し量る一つの指標として見ているものと考えれれます。特に令和3年の介護報酬改定により、「人員配置基準の見直し」が盛り込まれたことで、利益率の確保にはさまざまな施策が考えられるようになったことで、こうした従業員の処遇については、より重視される傾向にあると言えるでしょう。

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