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住宅・リフォーム業界のM&A動向

2021年12月22日

カテゴリー:業種

業種分類:住宅

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新築住宅の建築戸数が中長期的に減少していく中で、ハウスメーカーやハウスビルダーの統合、異業種によるリフォーム分野への進出とM&Aが比較的活発に行われてきた住宅・リフォーム業界。大工等の職人不足及び高齢化、Webを中心としたマーケティングのあり方の変化、環境対応等、変化に応じてM&Aの動きも活発化していくものと思われます。

業界概観

新設住宅着工戸数は2015年度〜2019年度の5年間に92.1万戸から88.4万戸へと年率1.0%と漸減しており、今後も世帯数の減少、建て替えサイクルの長期化及び建材価格の上昇等により、減少していくことが見込まれております(出所:国土交通省「住宅着工統計」)。

うち、マンションの供給戸数は、2015年度〜2019年度の5年間に10.3万戸から11.0万戸へと年率1.6%増加しましたが、戸建住宅と同様の理由から中長期的に減少していくことが見込まれております。

住宅リフォームの市場規模は2015年度の5.93兆円から2019年度の6.03兆円の年率0.4%増とほぼ横ばいで推移しており、ストックとしての住宅戸数の増加、建て替えサイクルの長期化からリフォーム需要が底堅く推移することが見込まれ、今後も同水準で推移することが見込まれます(住宅リフォームの市場規模は上記住宅着工統計において「新設住宅」に計上される「増築・改築」に「設備等の修繕維持費」を加えたもの)。

労働市場を見てみると、大工の人数は2010年の40.2万人から2015年の35.4万人へと減少しており、65歳以上の占める割合が20.8%、平均年齢が52.4歳と2010年時点の65歳以上の占める割合12.1%、平均年齢50.4歳からいずれも上昇しており、人数の減少に加えて、高齢化が進んでいることが分かります(出所:総務省「国勢調査」)。

事業主体の特徴を見てみると、建築工事業の事業者数は約2万7,000、木造建築工事業は約1万、大工工事業は約4,000となっております。

建築工事業に占める個人事業主、資本金500万円未満の企業数の占める割合は34.0%、木造建築工事業における同割合は55.2%、大工工事業における同割合は66.8%と個人事業主及び小規模事業者の割合が大きくなっています。

他方下請比率(それぞれの事業者の完工高のうち、下請が占める割合)については、建築工事業において個人事業主の下請比率が13.6%、資本金500万円未満の企業においては32.2%となっており、下請が一定の割合を占めております。

他方、経常損失を計上する企業の割合は建築工事業の資本金500万円未満の企業で17.9%、木造建築工事業で15.0%と全体の9.3%を大きく上回っており、大工工事業の資本金500万円未満の企業では40.7%を占めています(出所:国土交通省「建設業構造実態調査」)。

これらのことから、小規模事業者が多いながら、小規模建築工事・木造建築工事業者は採算性の低い元請・下請工事が多く、大工工事業においても建築工事・木造建築工事業者から採算性の低い価格で工事を請け負っていることが推察されます。

今後の変化の方向性とM&Aニーズについて

人口・世帯数の減少により新設住宅着工件数の減少が謳われる中、大手住宅メーカーをはじめとして新築からリフォーム、戸建・マンションからサービス付き高齢者向け住宅へと長らく事業領いくを多角化してきました。

また、中小事業者においても、大工等職人人口の減少から大工工事から屋根や内装、外装工事までを手掛けることのできる多能工化を自社内で進める動き、集客へのインターネット活用、その一環として見積もりサイトやマッチングサイトの広がりなどさまざまな動きが出てきております。

集客におけるインターネット活用が広まる中で、需要者にとって見積もりによる比較が容易となってくる一方で、採算性と施工の質のバランスをどのように保っていくのかが住宅・リフォーム事業者の課題となってくると思われます。

そのため、ブランド力を有するネット系ビルダーやネット系リフォーム事業者との提携や集客に特化したフランチャイザーの加盟店や会員として、営業地域内で他業種との相互送客などマーケティングを起点とした提携の多様化や、マーケティング(集客)に成功している企業による、取扱工事品目や営業地域拡大、人材確保のための住宅・リフォームを中心に行う建築業・大工業等の取得といったM&Aの動きが活発になっていくものと思われます。

また、不動産管理会社からも賃貸借人退去後の内装工事期間の短縮化による空室期間の短縮化や賃料を上げるためのリフォーム対応等サービスの内容を改善するために、建築業をグループ内に持ちたいという意向が強まっているように感じます。

当然こうした内装工事やリフォームには水回り、電気設備回りの工事が含まれるため、こうした水回りや電気設備回りに強い事業者への関心も強まっています。

加えて、2030年度に温室効果ガスを2013年対比46%削減し、2050年にはカーボンニュートラルの実現を目指すという国の方策の動きも見逃せません。住宅・リフォーム業界においても、ZEH(ゼッチ。ゼロ・エミッション・ハウスの略)の普及はエネルギー基本政策でも普及目標が掲げられており、新築のみならずリフォーム分野にも普及が拡大する可能性があります。

より具体的には住宅の外皮断熱性能の向上とコージェネレーションシステム(自家発電から生まれる排熱を暖房や給湯に利用する)などの効率的な設備システムの導入、太陽光パネルなど再生可能エネルギーの導入により、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅を指します。こうした取り組みには補助金が交付されているため、今後中小工務店等においても対応が求められる分野です。

主な対応分野が外壁、給湯・換気・蓄電・発電装置といった水回り、電気回りであることから、電気設備業者による住宅・リフォーム関連工務店、住宅・リフォーム関連工務店による家庭用に強みを有する電気設備業者など、関連業種のさまざまな組み合わせでのM&Aの取り組みへの関心が高まっていくものと思われます。

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