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ウェディング業界のM&A動向

2021年12月27日

カテゴリー:業種

業種分類:ウェディング

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2020年に大きく落ち込んだウェディング業界は2021年に入り回復の兆しを見せ始めており、拡大戦略も機会を見つつ展開していく姿勢を見せる企業も出始めてきました。他方、フォトウェディングの好調、オンラインの活用、消費者のニーズの多様化等コロナ後はさまざまな動きが出てくるものと思われます。本稿では、結婚式場運営業界を中心に今後の方向性及びM&Aニーズについて考察しました。

業界概観

2019年の婚姻組数は約59.9万組で、2015年の約63.5万組から5.7%減少しております(出所:厚生労働省「人口動態調査」)。また、リクルートブライダル総研作成の婚姻組数予測によると、2030年には婚姻組数は約52.2万組と2019年から12.8%減少すると見込まれております。

また、挙式・披露宴を行っている事業所数は2018年において874事業所であり、2015年の967事業所から9.6%減少しております(挙式場と披露宴会場を有する事業所(いずれか一方のみを有する、またはレストラン等披露宴も事業として行う事業者は含まれていない)。出所:厚生労働省「特定サービス産業実態調査」)。

大手結婚式場運営会社7社*の2019年度婚礼関連売上総額は約2,144億円であり、挙式・披露宴の総市場規模は約1.15兆円と18.6%のシェアとなっております(*大手結婚式場運営会社7社として、株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ、株式会社ツカダ・グローバルホールディング、ワタベウェディング株式会社、株式会社エスクリ、株式会社AOKIホールディングス、アイ・ケイ・ケイホールディングス株式会社、株式会社ブラス。売上総額は各社開示資料から婚礼部門の売上を当社で合計。挙式・披露宴の総市場規模は、「リクルートブライダル総研 結婚総合意識調査2020」、「ゼクシィ結婚トレンド調査2021調べ」から当社計算)。

これらのことから、婚姻組数の減少及び挙式・披露宴、特に披露宴の会場として一般の結婚式場・ホテル・ハウスウェディング・レストランと利用者の嗜好が多様化する中で、集客力のない事業所が閉鎖されてきたこと、及び大手結婚式場運営会社の市場占有率は未だ低い水準にあるため、各社がシェア拡大を目指して新たな事業所をオーガニック、もしくはM&Aで増やしてきた姿が推察されます。

他方、2020年以降の感染症の影響により、婚姻組数及び挙式・披露宴数が大きく減少したことを受けて、結婚式場運営会社各社の業績及び財務体質が大きく悪化し、2021年に入り挙式・披露宴数に回復の兆しはあるものの、完全な回復にはしばらくの時間を要する見通しです。

今後の変化の方向性とM&Aニーズについて

2020年以降、ウェディング業界は売上減少に直面し、各社コスト構造の見直しを通じて損益分岐点を下げる施策を講じています。ここでは、コスト構造の見直し以外に売上向上策として、上場結婚式場運営会社が行っている施策を簡単に眺めたいと思います。

まず、施策として多いのものが、挙式・披露宴のライブストリーミング配信、料理・引出物の宅配などのオンライン参列商品の開発・導入となります。また、各社内製化にも積極的に取り組んでおり、衣装、写真から配膳とウェディングに関わるすべての領域において内製化を進めることにより、サービスの質の向上による顧客満足度の改善を通じたブランド力の強化、売上利益の社外流出を抑制することによる売上、利益の拡大を志向しています。一部企業では、フォトウェディングや自社運営ゲストハウスの結婚式以外の目的への展開など、新たな事業領域への展開の動きも見られます。

フォトウェディングについては、2021年6月に東証マザーズに上場したフォトウェディングの株式会社デコルテ・ホールディングス(以下、「デコルテ社」)の業績を見てわかる通り、継続的に成長している領域であり、挙式や披露宴を実施しない「ナシ婚」層以外にも、挙式・披露宴とは別に結婚式当日には撮影できない写真を撮影する婚姻組数が増加しているようです。デコルテ社のような専門業社の伸長に対応するために、結婚式場運営会社の中にはこうしたフォトウェディングへの取組を積極化させる、つまり写真や衣装、ひいては旅行(撮影場所への移動)の内製化に取り組む企業も多くなってくるものと思われます。

さらに、2021年11〜12月での決算発表において上場各社において徐々に言及が目立つようになってきたものが、新規出店やM&Aによる出店拡大です。各社財務状況や受注状況、さらに今後の回復見通しについて、それぞれ違いがあるため、現状では拡大戦略を打ち出している企業は限定的ではありますが、事業環境と財務体質に対する不透明感の減退とともに、各社拡大戦略に転じることと思われます。

また、感染症の影響の沈静化とともに、今後もトレンドとして継続するものが何かということも大事かと思われます。例えば、挙式・披露宴のライブストリーミング配信などのオンライン対応については、遠隔地にいて挙式・披露宴に物理的に出席できない知人への体験の共有や、リゾートなどの郊外で挙式・披露宴を実施するため出席者を限定せざるを得ない場合にも、本来は出席を望む知人との体験の共有など、一定の利用が見込まれております。このようにオンライン対応については、今後も一定のニーズが存在し、選択肢として定着するものと思われます。また、挙式・披露宴を小規模なものにする一方で、出席者には贅沢なおもてなしをしたい、ドレスや装飾にはこだわりたいという、一部を豪華にするという動きも挙式・披露宴のスタイルの多様化の一環として定着していくものと思われます。

結婚式場運営業界は、感染症以前には、2019年12月に発表された株式会社エスクリによる結婚式場「ラヴィマーナ神戸」の運営及び同施設の衣裳事業の事業譲受のように、結婚式場運営会社による結婚式場のM&Aの他にも、2020年2月に公表されたハウスウェディング会場とレストランを運営するプリオホールディングス株式会社が百貨店の松屋HDからゲストハウス「リュド・ヴィンテージ目白(現アンジェロコート東京)」を譲受、2020年3月に公表されたレストラン及びレストランウェディング事業を運営する株式会社ゼットンが株式会社エルフラットから「YOKKAICHI HARBOR尾上別荘」を譲受のように飲食業との二毛作を目指す兼業企業によるM&Aなど、活発にM&Aが行われている業種です。こうした結婚式場運営業を中心に、写真、衣装製造・ブランド、衣装レンタル等関連する業界との、また関連業界同士のM&Aが不透明感の減退と主に再度活発化してくるものと思われます。

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